1-1 パスポートダイバーコース
楽しい体験の始まり!
1-2 パスポートダイバーコースの概要
- Chapter1.はじめに
- Chapter2.器材
- Chapter3.物理
- Chapter4.水中での身体
- Chapter5.環境
- Chapter6.自然保護
1-3 Chapter1. はじめに
コースが始まる前に、ダイビングやNAUIについて理解して、参加に際しての疑問や不安があれば質問して解決しておきましょう。
1-4 Chapter1の概要
概要
- スクーバダイビングとは何か?
- ダイビングでの危険と自己責任
- スクーバ認定とNAUIについて
- ちょっと不安があるのは普通です
1-5 スクーバダイビングとは何か?
・SCUBAという言葉の意味
・スクーバダイビングとスキンダイビングの違い
1-6 ダイビングでの危険と自己責任
・健康調査票は水中活動に参加される方の安全を守るために必要です。←クリック!
・ダイビングにおける危険
ほかのどのスポーツとも同じように、ダイビングにも潜在的なリスクがあります。このリスクを認識してダイビング活動に参加し、ダイバーとして適切な行動でこのリスクを避けることができなければなりません。
1-7 スクーバ認定とNAUIについて
・スクーバ認定(Cカード)の意味
ダイバートレーニングに関する最低限の基準を満たす講習を修了している証明であり、スクーバダイビングの様々なサービスを受けるためにはCカードが必要です。
・NAUIパスポートダイバー認定とは
修了者の資格:講習と同じような海域、コンディションで、12m未満の水域でNAUIのプロと一緒に潜ることができる資格
その後のコース:オープンウォーターダイバーコースやアドバンスコースやコアスペシャルテイ、セレクテッドスペシャルティコースなどが準備されておりますのでスタッフにご確認ください。
1-8 ちょっと不安があるのは普通です。
コース参加に際して不安や疑問があれば、担当インストラクターに遠慮なくご質問ください。
例えば、
・水中で空気がなくなったりしないの?
・器材が故障したりすることはないの?
・サメに襲われたりしないの?
2-1 Chapter2 器材
ほかのどのスポーツよりも、ダイビングでは器材が重要です。
器材についての基本的な知識があると、水中での器材の取り扱いがスムーズになります。
2-2 Chapter2の概要
概要
- ダイビング器材をどこで買うべきか
- 基本器材とブール・グローブ
- スクーバタンク
- レギュレータ
- 浮力コントロールシステム
- ウェイトシステム
- ダイバーの体温保護
- ダイビングゲージ
- その他の器材
2-3 ダイビング器材をどこで買うべきか
NAUIスクーバセンターのようなダイビング専門ショップでのご購入をお勧めします。
2-4 基本器材とブーツ・グローブ
器材の目的、重要な特徴、種類、選び方など
1.マスク
- 目的:眼と水の間に空気層を作り、水中の物体を歪まずに見ることができます。
- 重要な特徴:ストラップ、強化ガラス、フレーム、鼻をつまめる機能、視力矯正、素材など
- 種類:※必要に応じて実物、カタログなどで見せる。
- 選び方:フィット感
2.スノーケル
- 目的:息継ぎのために顔を上げずに泳ぐことができる、エネルギーを消費せず、スクーバタンクの空気も節約できます。
- 種類:※必要に応じて実物、カタログなどで見せる。
- 選び方:筒の長さと直径が自分にあっていること。
3.フィン
- 目的:水面、水中を楽に泳ぐことができます。
- 種類:ブーツタイプ(フルフット)とストラップタイプ(オープンヒール)
- 選び方:フィットしていて、脚力、ダイビングスタイルに合っていること。
4.ブーツ
- 目的:保温、怪我の防止、フィンで足にまめができるのを防ぐことができます。
- 種類:※必要に応じて実物、カタログなどで見せる。
- 注意点:ブーツを買うときはフィンも一緒に買うことをお勧めしております。
5.グローブ
- 目的:保温と怪我の防止に役立ちます。
- 種類:※必要に応じて実物、カタログなどで見せる。
- 選び方:水温などで選択する。
6.水面の浮力補助器材(BC):疲れた時に浮力を確保できます。
上記の器材の選び方は、自分に合っていることとフィットしていることが一番大切です。
器材のメンテナンス
ダイビングが終わったら、きれいな水でよく洗い、必要以上に日にさらさないようにして、涼しく、湿気のないところで保管します。
2-5 スクーバタンク
「スクーバタンク」
- 目的:大量の空気を貯めておけます。
- 素材:スチール、アルミニウム
- 容量による種類:10,12,14リットル
- 刻印:タンクの素材、常用圧力、最後に検査した日付、製品番号が刻印されています。
- 耐圧検査:5年毎に行われます
タンクバルブ
- 目的:タンクからの空気の流れをコントロールします。
- 種類:”K”バルブと”DIN”バルブがあります。
- Oリングの役割:傷ついたり無くなると、レギュレータはシールされず、空気が漏れてしまいます。
スクーバタンクのメンテナンス
使っていないとき、スクーバタンクには、できれば20気圧程度の空気を必ず残し、外側はダイビングを終える度にきれいな水で完全に洗うようにし、立てて保管しなければなりません。
2-6 レギュレータ
目的:タンク内の高圧空気を取り出し、ダイバーのいる水深の周囲の圧力にあったレベルまで減圧して、呼吸ができるようにします。
メンテナンス、保管
レギュレータを使わないときはダストキャップを必ず付けます。ダストキャップを正しくつけてから、きれいな真水で洗うか、できれば浸しておき、全体をすすいで、マウスピースや排気部を流水で洗います。この時、パージボタンを押さないで下さい。
保管中はホースをきつく巻いたり、ホースに重さがかかる角度で釣り下げたりしてはなりません。
バックアップスクーバ(予備空気源)
自分や自分のパートナーが水中で空気が無くなったときに、空気供給するもので、いくつか種類がありますが、「オクトパス」が最も一般的です。
2-7 浮力コントロールシステム(BC)
目的:自分の浮力を細かく調整し、水中で泳ぐ姿勢を制御する。
種類とその長所
バックマウトスタイル:水面、水中でのバランス、安定感がよく、楽に水面移動できます。
ジャケットスタイル:着ても快適で、水中でもよい姿勢が得られ、ほとんどのものは水面で顔を上げた姿勢を維持できます。
機能
- オーバープレッシャーリリーバルブ
- 給・排気ホースについたマウスピース
- 排気バルブ
- パワーインフレータ
選び方
色々なモデルを試してどれが自分にとって快適かを判断し、空気が入っていない時と同じように、空気を膨らませた時にも快適でなければなりません。
メンテナンス
BCの外部をよく洗い、BCに真水を入れ、内部をよくすすいでから完全に排出します。パワーインフレータの部分もボタンをよく動かして塩分が残らないように完全に洗います。
2-8 ウェイトシステム
目的:ダイバーの身体、その他身に付ける器材のプラス浮力を相殺するために、鉛のウェイトを使います。
最も重要なこと:すでにウェイトシステム自体をはずせるような機能がついていることです。
[ ベルトとウェイトの種類 ]
ベルトは、
・ナイロンベルト
・ポケット付ベルト
ウエイトは、
・コーティングされているもの
・コーティングされていないもの
・粉が入っている袋
2-9 ダイバーの体温保護(保温スーツ)
目的:身体の体温が水に奪われないように保護します。怪我や日焼けなどから体を守ります。
種類
ダイブスキン
ウェットスーツ
ドライスーツ
選択の基準
身体に合っていることと、使用する水温に合っていることが必要です。
※講習する地域、季節にあったスーツを着用する。
頭部の保温
頭部の保温はダイビングをしている際に最も重要なもので、ウェットスーツの生地でできた簡単なフードを使うことも可能です。もっとも暖かいのはフード付きスーツです。
メンテナンス
ダ イビングが済んだら、きれいな水ですすいでおき、ウェットスーツのファスナーは時々シリコンンスプレーをかけておきます。ド ライスーツのファスナーはパラフィンワックスなどをかけておきます。ウェットスーツは幅広のハンガーに吊るして保管します。ドライスーツは乾いた場所に、 ファスナーが無理に曲がらないようにして軽く巻いて保管します。
2-10 ダイビングゲージ
それぞれのゲージの目的と種類
残圧計:空気残量をチェックでき、エア切れを予防します。
- アナログ
- デジタル
水深計:潜ることのできる深さには限度があり、水深を測るためのものです。
- 毛細管式
- ブルトン管式
- ダイブ・コンピュータやダイバーズウォッチに組み込まれたもの
時計類:水中にいられる時間には限度があるので、時間を把握するためのものです。
- ダイバーズウォッチ
- 水中タイマー
- ダイブ・コンピュータ
コンパス:現在地、目的地の方位を把握するためのものです。
コンソール:個々のゲージをまとめておく。
ダイブ・コンピュータ:最大水深、現在水深、潜水時間、潜水可能時間、水温などを把握する。
バックアップゲージ:故障したときのための予備器材
ゲージのメンテナンス
ダイビング終了後、完全にすすぐ。毎年、資格のある技術者による点検・修理を受ける必要があります。
環境に対する配慮
ダイビングの度にBCにゲージを留めて、環境へのダメージを避けるようにしてください。
2-11 その他の器材
それぞれの目的、種類、使用方法
ナイフ:釣り糸や漁網などを切り拘束から逃れるために使用します。全て磨いておき、使わない時は刃の部分に薄くオイルをひいておきます。
ギアバッグ:自分の器材をまとめて、運ぶ為のものです。
防水テープ/防水ペイントマーカー:自分の器材を見分けるための目印に使います。
ダイビングフラッグ/フロート:ボートなどによる事故を避けるためのものです。
- スポーツダイバー旗
- 国際A旗
ログブック:ダイビングの経験を証明するものです。
- レクリエーショナルログ
- トレーニングログ
3-1 Chapter3 物理
5つの物理の内容を理解しましょう!
1.圧力、2.体積、3.密度、4視覚、5.聴覚
3-2 Chapter3の概要
概要
- 空気と水の違いとその影響(1)
- 大気圧と水圧
- 圧力と体積の関係
- 浮力のコントロール
- 空気と水の違いとその影響(2)
- 空気の消費
3-3 空気と水の違いとその影響(1)
空気の構成
空気は酸素21%、窒素78%とその他の気体1%で構成されています。
空気と水の違いとその影響
圧縮性:空気は簡単に圧縮できますが、空気に比べ水は非圧縮性です。呼吸する空気の体積の変化が問題となる。→「圧力と体積の関係」で詳しく述べています。水深に応じて水圧は比例します。
密度の比較:水は空気の約800倍の密度があります。
空気の流れ:深くなればなるほど、空気の流れに抵抗ができます。水中活動にも限界があります。
熱の吸収と伝導:空気より水の比熱は大きく、熱伝導率が高いです。適切な保温手段が必要となります。
音と光:音は水中では空気中の約4倍の速さで伝わりますが、光の伝わり方は逆に遅くなります。音源の方向が分かりにくくなります。色を再現するには人口の光が必要です。
3-4 大気圧と水圧
大気圧と水圧
大気圧=海水での水深10mの圧力に等しい
海水と淡水の水圧
1気圧=海水水深10m=10.3m
ゲージ圧と絶対圧
ゲージ圧とはゲージで計った圧力のことです。
絶対圧=ゲージ圧+大気圧
絶対圧=0.1気圧×海水水深(m)+1気圧
※各水深での絶対圧を確認してください。
3-5 圧力と体積と密度
圧力と体積
圧力と体積は反比例します。
オープンシステム:圧縮された空気は浮上中に膨張しても自由に逃れられることができます。
クローズドシステム:圧縮空気が膨張して、圧力を開放しなければ容器が破壊される原因になります。
実際のダイビングへの影響:中耳や肺などの体内の空間への圧力の影響とその対処方法を知らなければなりません。→次の章で説明します。
また水中で絶対に息を止めてはいけません。
圧力と密度
実際のダイビングへの影響:深く潜れば空気の消費が早くなり、呼吸抵抗が大きくなります。
3−6 浮力のコントロール
浮力の3つの形態
プラス浮力:何もしなくても水面に浮いている状態
マイナス浮力:水底に留まってBCに給気しなければ浮くことができない状態
浮力に影響を及ぼす要因
ウエイトと体積(ウェットスーツとBCの体積も影響する)と水の密度が要因です。
ダイビングの場面での適切な浮力
水面下では中性浮力、水面ではプラス浮力でいること。
3-7空気と水の違いとその影響(2)
温度の影響
体温の喪失:空気が熱を伝えるのより速く、水は身体から熱を奪います。(ダイバーが保温スーツを着用する理由)またレギュレーターから空気を吸う度に、冷たい圧縮された空気を吸い、水中で息を吐くたびに、呼気を通じて熱が奪われることになります。
湿度:水中に潜るとマスクの中と外の温度差のためマスクレンズが曇ります。(予防法は曇り止めや唾をマスクのレンズの内側に擦りつければよいです。)
熱とスクーバータンク:スクーバータンクを炎天下に放置していると圧力が上昇します。
感覚に与える影響
視覚:水中で見る物体は空気中より距離が3/4倍近く見え、大きさは4/3倍大きく見えます。
聴覚:水は密度が高いので、音は空気中より4倍速く伝わります。ですから音源の方向を分かるのが困難です。
その他の感覚:水中では臭覚、味覚は制限されます。触感は水中では重要な感覚です。手を傷から守る為にグローブは重要です。
3-8 空気の消費
空気消費の要因
水深:タンクに入っている空気を消費する早さは、水深と比例します。
その他の要因:水深以外の空気消費の要因は下記の3つです。
1)肉体的な運動量
2)身体の大きさ
3)体温
空気消費量のチェック
空気消費のチェックを行うことにより、ある水深でどのくらいの時間潜れるのか、だいたいわかるようになります。
空気消費の計算
4-1 Chapter4 水中での身体
4-2 Chapter4の概要
概要
- 身体の空間
- 圧平衡の方法
- 空気の過膨張
- 呼吸と循環
- 体温の維持
- 圧力の間接的な影響
- 健康と適正
4-3 身体の空間
身体の空間と圧力の直接的な影響
肺:胸部にある大きな空気の袋で、内部は風船ではなくスポンジに似ています。スクーバで呼吸をしている時に、浮上する際に息を止めていると重大な障害を受けます。「空気の過膨張」で説明します。
副鼻腔:頭部にある4つの空間で、粘液をつくる膜組織で覆われています。副鼻腔内の圧力が周囲の圧力より低いまま潜降を続けると、副鼻腔の軟組織は内部の空間に向かって吸い出されることがあります。副鼻腔スクィーズといい痛みを伴います。
耳:中耳は頭蓋内部にあって、鼓膜の内側にあります。耳の中の圧力が周囲の圧力と平衡にならない場合は、すぐに不快感に襲われます。
マスク:ダイバーはマスクを装着するこで、身体の空間がひとつ増えます。潜降の間に圧力が増加するとマスクが顔に押し付けられ、マスク内部の空間が圧縮されます。
4−4 圧平衡の方法
スクィーズの原因、症状、予防
中耳
- 原因:潜降の際に耳抜きが遅れたこと。
- 症状:鼓膜の破損を生じ、感染症を起こすこともあり、聴覚障害にいたる場合もあります。
- 予防:適性な圧平衡を行う。
副鼻腔
- 原因:副鼻腔の炎症がないようにする。
- 症状:膜状組織中の毛細血管が破れて、空間を血液で満たします。痛みや鼻血などの症状を起こします。
- 予防:副鼻腔の炎症がないようにする。
マスク
- 原因:マスクブローをせず、適切な圧平衡を行われなかったため。
- 症状:マスクがきつく顔にひっつくように押され、顔面の柔らかい組織がマスク内に吸い出されるようになる。目の充血や皮膚のうっ血など。
- 予防:数10センチ潜降する度に空気を少し鼻からマスクに吐き出してやるだけでいいのです。
圧平衡のテクニック
中耳
- あくびをしたり、唾液を飲み込んだり、下顎を前に突き出したりします。
- 口をしっかり閉じて、鼻をしっかりつまんで鼻の穴を閉じ確実に息を吐くようにする。 ※通称:耳抜き
副鼻腔
- 炎症がなければ自然に圧平衡されます。
マスク
- マスクブローをします。
4−5 空気の過膨張
中耳と副鼻腔のリバースブロック
原因:耳や副鼻腔に閉じ込められた空気が浮上中に膨張する。外部の圧力が減少する際にリバースブロックが起きます。
症状:耳が痛んだり、”いっぱいだ”と感じる。
予防:風邪をひいていたり、その他の鬱血がある場合はダイビングをしないようにする。
肺の過膨張障害
原因:息を止めたままで浮上すると肺の中の空気が膨張することにより、障害を被る。
障害の種類
1)気胸2)縦隔洞気腫
3)皮下気腫
4)エアエンボリズム
予防法:最善の方法は、浮上中に通常の肺の大きさにしておくことなのです。普通に呼吸するのが、最もよく、最も簡単な予防になるのです。
4−6 呼吸と循環
呼吸の基本と二酸化炭素の役割
二酸化炭素が「呼吸をしなさい」という刺激を送ります。
水中での呼吸法
適切な呼吸法:普通より深くゆっくりとしたペースを保ちます。
ハイパーベンチレーション:息こらえ時間を延ばそうと、故意に深く速い呼吸をするとをいいます。
スキップ呼吸:水中でタンクの空気を節約する為に、ダイバーが断続的に行い、1回の呼吸でしばらく息こらえをすることをいいます。
スノーケル呼吸
ゆっくりとした深い呼吸をすることが必要です。
水中での咳
レギュレーターをくわえたまま咳をします。少しずつ呼吸を繰り返し、回復を早めます。
4−7 体温の維持
オーバーヒート
原因:ダイビングの前後に長い間保温スーツを着たままでいると起こります。
症状:肌が青白くじとじとした感じがして疲労を感じるようになります。これは熱疲労を示しています。この時点で体温を下げてなければ”熱射病”という非常に重大な状態になる可能性があります。熱くて、乾いた、紅潮した肌が熱射病を示す症状です。
予防法:ダイビングの為にスーツを着た後、実際にダイビングをするまでに間が空くなら、太陽に当たらないところにいて、身体を濡らしたりして身体を冷やします。
ヒートロス
原因:適切な保温スーツを着用しないで水に浸かった場合に起きます。
症状:筋肉が冷たくなり、かじかんで力が出にくくなります。明晰な思考もできにくく、記憶力にも影響があります。この状態が続けば、緊急事態が生じることがあります。
対処法:震えがきたらすぐに水から上がり、それが回復するまで全てのダイビング活動を中止します。
予防法:必要に応じ正しい保温スーツを身につけることです。
4−8 圧力の間接的な影響
酸素の毒性とナイトロックス
酸素:水深7m以深の深さで純酸素を吸うと、重大な障害を起こす可能性があります。
ナイトロックス:通常の空気での酸素と窒素の割合とは異なる、特別な混合ガスをいいます。特別な学科講習とトレーニングを行う必要があります。
一酸化炭素
ダイバーにとって危険です。吸い込んでしまったら、血液が酸素を運搬する能力をかなり阻害し、症状は意識の混乱、頭痛、吐き気、鮮紅色の口唇や唇や爪、意識喪失などが挙げられる。
窒素の影響(水深24m以深)
原因、症状、対処
減圧症
- 原因:通常の呼吸で窒素を排出できるよりも早く浮上すると、過剰の窒素が身体の中で気泡を形成します。
- 症状:肌の発疹、極度の疲労感、関節の痛みといったものから、重大なものでは、麻痺や意識不明までさまざまな範囲に渡ります。
- 予防法:ダイブテーブル(オープンウォーターダイバーコースで学びます。)を正しく使う方法を身につける。
- 対処法:ダイバーに再圧治療を行います。
窒素酔い
- 原因:窒素の麻酔作用
- 症状:思考や判断力を妨げ、ダイバーの肉体的能力を低下させます。
- 予防法:深すぎるダイビングを避ける。
- 対処法:浅い水深に浮上するだけで、簡単なものです。
4−9 健康と適正
ダイビングのための健康診断
ダイビングをよく知っている医師から健康診断を受けておくのは良い考えです。
生理/妊娠期間中のダイビング
1)生理痛やその他生理に係わる問題が煩わしいなら、症状がある間、女性はダイビングを控える方がいいでしょう。
2)圧力の胎児への影響について十分に知られていないので、女性は妊娠中にはダイビングを避けるべきです。
ダイビング適正
ダイビング適正とは水中能力を持っていることです。適正を保つために、定期的にダイビングすることです。
薬物、アルコールの影響
身体の生理を変化させるか明晰な思考能力に影響を与えるもので、避けなければならないものです。
5-1 Chapter5 環境
水温が変われば着るスーツが変わります。流れがあればダイビングのスタイルも異なります。
ダイビングに関する環境を知ることで、適切に対応し、ダイビングを楽しむことができます。
5-2 Chapter5の概要
概要
- 様々なダイビングサイトと海岸のコンディション
- 水の性質/波浪と砕波
- 典型的な地域の例
- 動いている水の力/水底の状態
- 危険な生物
- ボートダイビング
- その他の注意
5-3 Chapter様々なダイブサイトと海岸のコンディション
様々なダイブサイト
- 人工物:人工岩礁、オイルリグ、防波堤、桟橋、沈船などです。
- 自然:切り立った断崖、洞窟、サンゴ礁や岩礁を持つ水中の渓谷も含まれます。
- 頭上にものがある環境:ケーブダイビング、”侵入する”沈船ダイビング、アイスダイビングなどがあります。
海岸のコンディション
- 水底の形の影響:流れ波の動きに影響を与えます。
- 新しい場所でダイビングする時の注意:ダイブサイトの説明を受ける必要があります。何を見ることができ、何を避けなければいけないのか、その地域特有のダイビングテクニックが説明されます。
5-4 水の性質/波浪と砕波
水の性質
- 重要な2つの要因
水温と視界:温かくてきれいな水でのダイビングは比較的簡単です。 - サーモクライン:ある水深から急に水温が変化する境目のことです。
- 水中の透明度の要因:場所や季節、天候、水の動き、水底を構成するもの、その他の要因です。
波浪と砕波
- メカニズム:風のエネルギーが海洋に与えられ、波が生成されうねりとして伝わり、波が浅い水域に入ると、波は水底からの影響を受け砕けて砕波になります。
- 砕波帯:砕波が生成し、波が砕ける場所のことです。
- サージ:水中の水の動きで、波のある海岸近くでダイビングをしたい場合に経験する底揺れです。
- 地域での影響:※地元のダイビングエリアでの影響は参加者に伝えてください。
5-5 典型的な地域の例
沖縄など比較的南の地域
日本で最も人気のあるダイビングエリアの1つで、気候は一年を通して暖かく、ボートダイビングが主流ですが、ビーチポイントもたくさんあります。豪快な地形のダイナミックなところから、優しいサンゴ礁までバリエーション豊富な水中環境で、全国のダイバーが訪れます。
太平洋・日本海沿岸地域
こ の地域もポピュラーなダイブサイトが点在し、四季折々ダイバーを楽しませてくれます。水中環境も様々で、岩礁域、砂地やゴロタ石がある海岸などがあり、場 所によってはサンゴもあります。冷たい海に生息するものから、沖縄などで見られるものまで多種多様の生物が見られます。
北海道などの比較的北の地域
数多くのダイビングスポットが点在しています。気温は寒い時は氷点下まで下がり、水温も0度近くになります。珍しい生物に出会ったり、追加のトレーニングを受けてチャレンジする流氷ダイビングなどを経験できるため、多くの人がダイビングを楽しんでいます。
5-6 動いている水の力/水底の状態
潮汐
原因:月、太陽の引力によって引き起こされます。
影響:1)エントリーやエキジットの条件が変化します。
2)防波堤やマリーナに係留している小さなボートへの乗り降りに影響します。
3)水の動きによって透明度もまた影響を受けます。
対処:潮汐表を参考にする。
地域での影響:※講習する地域での情報を参加者に伝えてください。
海流
特定の方向への水の動きです。風や重力、地球の自転などによって引き起こされます。
流れとダイビング
水中での対処法:普通は流れがどんなにわずかなものでも、それに逆らうようにダイビングを始めます。
地域での影響:講習する地域での影響を参加者に伝えてください。
ロングショア
海岸沿いを一定の方向に流れる沿岸海流のことです。
リップカレント
波や風の力で水が岸の方へ押され、その後狭い通路を通って海の向こうへ送り出される時に、岸の近くで発生します。リップカレントにつかまった場合は、海岸線と平衡に移動し、流れから逃れたら、今度は岸に向かって泳ぎます。
水底の状態が与える影響
泥:簡単に巻き上げられてしまい、透明度がゼロまで低下します。
砂:もう少し透明度はいいでしょう。
岩:海洋生物も育ちやすく、穴や割れ目もたくさんあって水中生物も住処に使っています。
サンゴ:素晴らしいダイビングポイントを作り出します。
5-7 危険な生物
危険な生物
防衛行動
水中では動物が攻撃的な行動をとるのは稀で、水生生物から受けるかもしれない怪我は、ほとんどが防衛行動の結果に過ぎません。
予防法
ダイビングする地域の危険な生物を見分け、知らない生物には触らないようにする。
地域の危険な生物
※参加者に地域の危険な生物についての情報を伝えてください。
サメやシャチ
時にはダイバーにトラブルを引き起こすことがありますが、そのような大きな動物を見ることは、非常に稀です。
5-8 ボートダイビング
ボートダイビングの楽しみ
違いダイビングサイトへ移動する素晴らしいチャンスをしてくれます。
手順
出発時刻より最低30分に到着してください。予め名簿を準備するか、ボートに乗り込むとき署名して確認し、乗務員に指示された場所に器材をきちんとしまいます。船の中を確認し、配置も十分わかるように質問します。
船酔いの対処法
酔い止めはボートはボートが出発する最低1時間前に飲み、飲むのを忘れたら、きれいな空気なところに行き、水平線を眺め、ボートの中心部に位置しましょう。
ステップアップコース
アドバンススクーバーダイバーコース、ボートダイビングスペシャルティコースに参加しましょう。
5-9 その他の注意点
ダイビング計画
予備の計画も用意しておきましょう。
適した時間帯
太陽の位置が真上にある昼近くが明るいでしょう。
日焼けの対策
できるだけ日陰にいるようにして、薄手の洋服をまとって、日焼けクリームを使いましょう。
水中拘束の予防
水中で絡まりそうなものには気をつけましょう。
ボートの従来
浮上する前にちょっと止まり、船が近づく音に耳を傾ける習慣をつけましょう。
水中環境スペシャルティコース
ぜひ参加してみましょう。
6-1 Chapter6 自然保護
6-2 Chapter6の概要
概要
- デリケートな海洋生物/貝類の収集
- ハンティング/沈船の保護
- ゴミ/水中への配慮
6-3 デリケートな海洋生物/貝類の収集
デリケートな海洋生物
ダイバーによる影響
浮力コントロールに注意しないと、サンゴなどを壊してしまいます。また、砂や沈泥を巻き上げるとサンゴが窒息してしまいます。
保護するために
・浮力のコントロール
適切な浮力コントロールにより、サンゴ礁が破壊されないように泳ぐことができます。また、ゲージやその他の器材を邪魔にならないように留めると、海洋生物にぶつかってダメージを与えることを避けることができます。
・手を触れない
ほとんどの魚は身体の保護のため粘液で覆われ、この粘液が触ったためにとれてしまうと、魚に危険な寄生虫に攻撃されやすくなり、さらに、魚を手でいじると魚の内部器官が損傷をうけ殺してしまうことになるので、魚は触らない、いじらないでください。
貝類の収集
その影響
貝を集めるとその貝を他の集団から引き離すことになり、その種の繁殖するチャンスを無くさせることになります。
6-4 ハンティング/沈船の保護
ハンティング
影響とルール
ダイバーやプロ及びアマチュアの釣り師、海洋汚染の影響によって、多くの地域は過去ほど健全ではありません。水中で狩猟や採集をするなら、その地域の漁業規制を知らなければなりません。
日本国内では禁止
日本国内では魚や貝類を捕ることは禁止されています。
沈船の保護
禁止事項
多くの場所では、沈船からものを持ち去るのは法令で禁止されていて、違反者は全てのダイビング器材を失い厳しい罰金を課せられる可能性があります。
6-5 ゴミ/水中への配慮
ゴミ
海洋生物に対するダメージ
プラスティックのホルダーは海洋哺乳類や鳥類が引っかかって絡まる可能性があります。海中を漂うプラスティックの袋はウミガメにとってはクラゲに見えるので、食べてしまい消化器官に詰まって死んでしまいます。
予防
ゴミは決められた場所に捨て、可能であればリサイクルします。
水中への配慮
地域での情報収集
自分の住んでいる近くのダイビングエリアに関する自然保護について学ぶことになるでしょう。